SSSS 100

刻の欠片 1 《ときのかけら 1》  穏やかなとき

石畳がきれいに敷きつめられた街の中心に、街を見渡すように大きな時計が建てられていた。設計者も建設者も不明だが、百年以上も前に造られたものだという。現在も正確にときを刻み、人々にときを知らせていた。


街の空が白みはじめ、目を覚ました鳥たちが青空に羽ばたいていった。

朝日が昇り、しばらくして街に鐘の音が鳴り響いた。

人々が目を覚まして朝のしたくをはじめると、家々に暖かな煙が立ち上ぼって空へと消えていった。

太陽が空の真上にさしかかり鐘が鳴った。

人々は作業を中断して手を休め、おしゃべりと昼食を楽しんだ。

再び鐘が鳴り、人々はやりかけの作業を再開した。

太陽が地に入りかけた頃、人々は鐘の音を聴きながら、暖かな夕食と家族たちが待つ家路を歩いた。

街がすっかり闇に包まれ、すんだ空気に鐘の音が染み渡り、人々は眠りについた。

時計は静かに人々を見守りながら、穏やかにときを刻んでいた。